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お客様の旅日記

第3回:ミャンマー人の優しさに触れた旅

ペン イメージ画像 かれん様 (ペンネーム)


▲ミャンマーの子どもたち
3月18日(日) / 成田~バンコク~ヤンゴン
いざミャンマーへ

朝からあいにくの雨。でもミャンマーは晴れているだろうと期待しながら前泊のホテルから成田空港へ向かった。成田発10:45タイ航空641便はほぼ定刻で成田空港を飛び立った。これからバンコク乗り継ぎでヤンゴンまで行く。初めてのミャンマー。2泊4日の弾丸旅行だが期待に胸が膨らむ。
飛行機は定刻より10分程早くバンコクに到着した。さあこれから初スワンナプーム空港での乗り継ぎだ。
私が到着したのはどうやらEゲートのようだ。このスワンナプーム空港、やたらに広い! 出発掲示板でゲートを確認するとヤンゴン行きTG305便はゲートC10。やれやれ、全然反対側だよ。ともかくこのスワンナプーム空港では延々歩いた。
ヤンゴン行きTG305便も定刻にテイクオフ。窓側A席を確保していたので綺麗な夕日を見る事が出来た。
18:40定刻にヤンゴン到着。やっとミャンマーに来たぞ!

ヤンゴン・ミンガラドン国際空港はこぢんまりとしていたがキレイな空港だった。入国審査、預け荷物受け取り、税関とスムーズにいき、空港の外へ出た。外は沢山の出迎えの人でごったがえしていたが、私のプラカードを持ったガイドさんに無事出会う事が出来た。女性のガイドさんだ。両替をしたかったがあいにく空港外の両替所は閉まっていた。両替は明日する事にして、とりあえず宿泊先のセントラルホテルへ向かう。

ガイドさんの名前はヤタナさん。「日本語のヤダなーで憶えて下さい。でもミャンマー語では宝石のような大切な物、という意味なんですよ」彼女は3人兄弟で1人だけ女の子だったので「大切な物」という名前をつけてもらったそうだ。ドライバーはミーソーナーさん。こちらは男性。ホテルへ向かう途中、車内で明日の打ち合わせ。

日程3日目午後のシュエダゴンパゴダは暑いので、2日目のスーレーパゴダ周辺散策と入れ替えて明日の夕方から観光する事に。 また私が「生活風景を見るのが好きだ」と言うと、ヤンゴン環状線はインセインではなくその先のダニンゴンまで行き、その後インセインまでバスに乗る事に。彼女曰くダニンゴンの青空市場の方が大きくていいそうだ。車窓から見たヤンゴンの街は電気事情のせいか暗くてよくわからなかった。

▲セントラルホテルとサクラタワー(昼間に撮影)
午後8時前にホテルに到着。ロビーで再度スケジュールの確認をした後、ヤタナさんがチェックインを済ませてくれ部屋まで一緒に来てくれた。リーズナブルなお値段だったけど部屋は広くて十分だ。無料のミネラルウォーターも置いてある。
「お湯が出るか確認しましょう」とヤタナさん。

ミャンマーのガイドさんは細かいところまで気配りできて親切だな、と思った。これは本当で、あと2日お世話になるのだがヤタナさんの優しさ心配りには感動する事になる。明日の朝8時半にロビーで待ち合わせる約束をしてヤタナさんと別れた。
さあこれから晩ご飯を食べに行かなくては。
事前にヤタナさんからサクラタワーはUSドルが使えると聞いていたので行ってみることにした。
セントラルホテルとサクラタワーサクラタワー20階のスカイビストロは地元の人がちらほらいるだけで空いていた。窓から遠くにライトアップされたシュエダゴンパゴダが見える。

初めて見るパゴダ。テンションが上がる。これなら1人での食事も寂しくないかも。シュエダゴンパゴダが見える席に座りマレーシア風チャーハンと生ビールを注文した。味はまあまあだったけど量が多い!半分しか食べられなかった。チャーハンと生ビールで10ドル。若干高い気がしたが、サクラタワーで食事するとこれくらいかかるのだろう。
ホテルに帰ってお風呂に入り(ちゃんとお湯が出ます!)明日の身支度をする。それにしても町中だけあって人のさわぐ声が良く聞こえる。その声を子守歌代わりに就寝。初めてのミャンマー。明日が楽しみだ!


▲ヤンゴン中央駅


▲ヤンゴン中央駅にて
3月19日(月)
ヤンゴン環状線乗車、聖地シュエダゴンパゴダ、家庭訪問
ミャンマー人の優しさに触れた1日

朝8時半前、ロビーに行くとガイドのヤタナさんはもう来ていた。今日はまずヤンゴン中央駅から環状線に乗ってダニンゴンまで行き青空市場を散策する。ミーソーナーさんの運転でヤンゴン中央駅へ。初めての場所は見る物すべてが新鮮でこれから始まる旅にワクワクする。ヤンゴン中央駅は閑散としていたけれど、列車が到着すると人が沢山降りて来た。
私達が乗る列車は9:05分発という事。それまでホームで物売りをしている人や列車を待っている人の写真を撮ったりして列車を待った。
合間にヤタナさんがビンロウジ売りの所へ行って説明してくれる。噛む嗜好品だ。

程なく列車がやって来た。「さあ乗りましょう」とヤタナさんに言われて最後尾へ。中に入るとさっき写真を撮らせてくれたお母さんが私の席を取ってくれて「隣にすわりなさいよ」と言ってくれた。ミャンマー語だけど雰囲気でそう言った気がした。でもヤタナさんが反対側の方が景色がよく見えるから、と言って折角席を取ってくれたけど反対側の席に移動した。

▲席を取ったり色々話しかけてくれたお母さん


▲車窓風景その1


▲車窓風景その2




▲ダニンゴンの市場にて



▲ヤタナさんが買ってくれたマリーアン


▲沢山のカレーから自分の好きな物を選びます。



▲屋台が並ぶチャイナタウン
するとお母さんもこちら側へ移動してきて私の隣に座った。
列車の中でこのお母さんと色々話をした。ガイドのヤタナさんが通訳してくれた。

お母さんはヤンゴン郊外南部の町に住んでいて、朝6時に家を出てきたと言う。インセインの学校に通っている子供に会いに行くそうだ。私はミャンマー語がわからないが、この「ヤンゴン生活体験の旅」はガイドさんがいてくれて環状線にも乗れるし、バスにも乗れる。通訳までしてくれる。地元の人と触れ合う機会が多くていい企画だと思う。

またこの環状線は車窓風景もヤンゴン市内とは違った生活風景が見られていいです!

ヤンゴンを出発した時はそんなに混んでなかったけど、駅に止まる度人が乗ってきて結構混雑してきた。車内風景 今度は前に座っていた子供連れの女性が私に車内で物売りが売っていた茹でうずら卵を買って「食べなさいよ」と手渡してくれた。私は「チェーズーティンバーデー」ありがとう、と言ってその卵を受け取った。

ビニール袋の中に7個くらいうずらの卵が入っていた。小さい卵の殻を剥いて食べると普通の卵なのに美味しく感じた。 「美味しいよ」と身振り手振りで女性に伝えると彼女はにっこり微笑んだ。私に茹でうずら卵を買ってくれた女性。タナカを塗ったショートヘアーの人です。
見ず知らずの外国人の私にミャンマーの人はなんて優しいんだろう。
1時間くらい経っただろうか。インセイン駅に到着し、お母さんは「ここで降りるから、元気でね」と言って降りていった。 私も「お母さんも元気でね」と言って優しいお母さんと別れた。

暫くすると私たちが降りるダニンゴンに着いたようだ。私は卵をくれた女性に再度お礼を言い列車を降りた。1時間ちょっとの列車の旅だったけど、とても楽しかった。
ダニンゴンに着いてから青空市場へと向かう。確かに大きな青空市場だ。 市場の人に「ミンガラーバー!」と挨拶すれば「ミンガラーバー」と笑顔で返ってくる。とても嬉しくなる。

野菜、干物、生鮮食品、衣類、韓流のコピー品までなんでも売っている。市場で日本のびわのような果物が沢山売られていた。ヤタナさんが「これはマリーアンといいます。試食してみますか?」と言って私にそのマリーアンを一個渡してくれた。食べてみると甘くてとても美味しい。ヤタナさんはそのマリーアンを買っていった。青いのはすっぱい。
私は市場が好きで、とくにダニンゴンのようなローカルな市場散策は大好きなのでとてもおもしろかった。

市場も一通り散策し、次はダニンゴンからインセインまで路線バスに乗ることに。この路線バス、行き先はミャンマー語だし停留所なども無いし、降りる場所のアナウンスなどは到底無い。1人じゃ絶対乗れない。現地のガイドさんがいてくれたからこそ乗れる代物だ。
バスでインセインまで行くとドライバーのミーソーナさんが私達を待っていた。日程には入ってないが、途中白い象を見学。

その後昼食に向かうのだが、ヤタナさんが「アウン・サン・スー・チーさんの自宅を見たいですか?」と聞いてきた。「えっ!見られるの!? お願いします!」まさかスー・チーさんの自宅前を見られるとは思ってなかったので感激!そしてアウン・サン・スー・チーさんの自宅前を通ってくれた!このヤタナさんの心配りに感謝!車窓から眺めるだけだが、ゆっくりスー・チーさんの自宅前を通った。NLDの赤い旗が翻っていた。

昼食は地元の人に人気のローカルレストランで。feelというレストランだ。基本カレーでおかずを一品選べられる。もちろんミャンマービールも!大瓶で2000チャット。ここで嬉しかったのはガイドのヤタナさんが一緒に食事をしてくれた事。1人だと味気ない食事になるのだが、ガイドさんとお喋りしながら食事を摂れるのは嬉しい。ミャンマー料理はとても美味しかった!

昼食後ヤタナさんが「ホテルへ帰って休憩しますか?」と聞いてきた。すぐ午後の観光かと思っていたが、時間もあるし昼間は暑いから一旦休憩したら、と提案してくれたのだ。ホテルに戻ると両替所が開いていたので30ドル両替する。
ミャンマーの両替は100ドル札が一番レートがいい。100ドルで1ドル810チャット。私は10ドル札だったので1ドル776チャットだった。少額紙幣はレートが悪くなる。
(私がUSドルに両替したのは1ドル79円の時だったので、1000チャット=100円で計算しました)

午後3時にロビーで待ち合わせの約束をしてヤタナさんと別れる。といってもヤタナさん、私が休憩している間ずっとロビーで待ってるそうだ。なんだか申し訳ない。「気にしないで下さい、ゆっくり休んで下さい」と言ってくれる。別れ際ダニンゴンで買っていたマリーアンを私にくれた。本当にさりげない優しさで気の付く良いガイドさんだなあ。

1時間程休憩して3時から午後の観光に。これも予定には無かったがパンソーダン港に行ってくれた。私が出発前にパンソーダン港に行きたい、と東京の担当者さんに言っていたので予定に入れてくれたのかな?

ともかく行きたい所に行ってくれたので嬉しかった。その後チャイナタウンを散策。
ヤンゴン市内中心部は道路という道路に屋台が出ている。



▲シュエダゴンパゴダで祈る人々


▲ライトアップされたシュエダゴンパゴダ


▲タナカを刷ってくれてる姪っ子さん
 チャイナタウンをしばらく歩いてからカンドジー湖へ車で移動。「若者のデートコース」という事だったが、この日は人気タレントのテレビ撮影をやっていてそれを見学に来た人が沢山いた。
暫く散策してから、ここのカフェでヤタナさんとティータイム。みんな人気タレントの撮影を見学しているのでお客は私達だけしかいなかった。
次はミャンマーの聖地、シュエダゴンパゴダだ。中に入るにはもちろん裸足。でも夕方になっていたので地面は熱くない。 黄金色に輝く大きなパゴダはとても綺麗で見応えがあった。
それにしてもミャンマー人は信仰心が篤い。パゴダに向かって祈る人を何人もみた。ミャンマー人の優しさは上座部仏教への信仰心と関わりがあるようにも思えた。

自分は貧しくても寺院に寄進したり、僧侶にお布施をしたりする。徳を積む、という考えが根ざしているのだと思う。夕方は西洋人の団体客が沢山いたが日が沈む頃にはいなくなり、代わりに地元の人が大勢やって来て涼みながらパゴダを参拝していた。 日程を変更してくれたおかげで夕方からライトアップされる夜までゆっくりとパゴダの観光が出来き、良かった。

シュエダゴンパゴダ観光後はミャンマー人の家庭訪問へ。そこで夕食を食べる事になっている。スーパーでビールを買って訪問先へ向かう。缶ビールが750チャット。家庭訪問先は町中のインド人街にあって、アパートの5階まで階段で上った。(電気事情が悪いのでエレベーターなどありません)おじゃまするとその家のご主人が笑顔で迎えてくれた。旦那さん、奥さん、おばあちゃん、姪っ子さんの4人家族だ。
料理も沢山作ってくれている。すべて手作りで心のこもった料理に感激!みんなで乾杯してお喋りしながらとても美味しく頂いた。姪っ子さんは私のためにタナカを刷ってくれ、ヤタナさんが私の頬に塗ってくれた。

旦那さんがタバコを吸っていたので、ヤタナさんが「Uさんも遠慮しないでタバコを吸って下さい」と言った。訪問先でタバコを吸うのは気が引けたが、旦那さんも勧めてくる。そしてミャンマータバコを出して「どうぞ」と言ってくれた。お言葉に甘えて一本頂く。
「あ、結構いけるかも。おいしいです」と言うと旦那さんは「ちょっと待ってて」と言って外に出て行った。 なんとわざわざ私にミャンマータバコを一箱買って来てくれたのだ。(ここは5階です)「今日は訪問してくれてとても嬉しいから」と言って。こっちこそ沢山の美味しいミャンマー家庭料理を頂いて、楽しいひとときを過ごさせてもらったのに・・・。 「チェーズーティンバーデー」本当にありがとう!
ホテルに帰り明日は午前中フリーなので12時にロビーで待ち合わせの約束をしてヤタナさんと別れた。別れ際ヤタナさんに今日のチップを渡そうとしたが、「困ります、どうぞお収め下さい」と言って受け取ってもらえなかった。
今日一日を振り返って、ミャンマー人の優しさに触れた一日だったなあ、とつくづく思った。なんでみんな笑顔なんだろう?なんで見返りも求めず優しくしてくれるんだろう? 本当の豊かさってなんなんだろう? そう考えながら眠りについた。

▲ダラ行きのフェリーの中


▲ダラの船着き場周辺


▲ダラの僧院にて


▲民家の前にいた子ども


▲ダラの子どもたち
▲サイカ―の運転手たち。ダラ市場の近くにて


▲サイカ―運転手の奥さん

3月20日 / ダラ、ヤンゴン市内観光
 
ラッキーな出会い、そして別れの日

朝は時差のせいなのか6時前に目が覚める。今日の午前中はフリーになっている。 前日、ヤタナさんから今年の2月からヤンゴン川対岸のダラやトワンテーに外国人も自由に行けるようになった、と聞いていた。
トワンテーはちょっと無理だけどダラに行ってみようと思った。昨日パンソーダン港も歩いたし、なんとかなるだろう。折角だからダメ元で行ってみよう。

8時に出発。ホテルの前からタクシーを拾ってパンソーダン港に行く事にする。通りに出るとすぐにタクシーが止まった。港まで1200チャットだと言う。相場がいくらか全くわからなかったが、港まで120円だ。それで行ってもらう事にした。

港に着いたら昨日見て歩いた通りに歩いて船着き場に行った。フェリー乗り場の事務所らしき所で対岸に渡りたい、と言うとパスポートの提示を求められたが、往復分のフェリー代2ドル払ってフェリーに乗る事ができた。
続々とフェリーに乗る人の流れに乗って船に乗り込む。結構混雑している。ヤンゴン川の写真などを撮っていると1人の男性が声をかけてきた。どうやらサイカーの運転手らしく、ダラに着いたら自分のサイカーに乗らないか?と言っているみたいだ。誘い方は強引ではなくむしろ控えめで、声をかけてきたものの私のそばに静かに立っているだけだ。サイカーには乗ってみたいと思っていたので値段を聞いてみた。30分で1000チャットだと言う。これは事前にネットで情報を調べていたが妥当というよりむしろ良心的な値段だ。全然ふっかけてこないし、控えめで直感的に好感が持てたのでこのお兄さんのサイカーに乗ってみる事にした。

15分程で対岸のダラに到着した。降りる時も人の流れに乗って降りた。フェリーを降りると船着き場周辺は人でごったがえしていた。
サイカーの運転手やバイタクの運転手が「俺のサイカーに乗らないか?」「バイクに乗らないか?」と一斉に言い寄ってくる。うわぁーどうしよう!船の中で出会ったサイカーのお兄さんどこ行っちゃったのよ~!この時はマジでそのままヤンゴンに引き返そうと思った。すると船の中で出会ったお兄さんがサイカーを引きながらやって来た。よかったー! そのままお兄さんのサイカーに乗って出発してもらった。

お兄さんはあんまり英語ができない。でも彼も商売なので必要最小限の英語は喋れる。どうやらダラの僧院に行ってくれるみたいだ。暫く行くと僧院に到着。裸足になればそのまま入っていいみたいなので中に入ってみる。ダラにもちゃんと僧院があってパゴダもある。尼僧さんもいるし水浴びしている青年僧達もいる。暫く見学して何枚か写真を撮らせてもらって僧院をあとにした。

まだ時間はあるし、人通りや民家もあるので大丈夫だろうと思いもう少しサイカーを走らせてもらう。それにしてもヤンゴン川を渡っただけでこんなにも景色が違うとは。
サイカーに乗って走っていると1人の女の子が駆け寄って来た。女の子は私の膝の上にまだ蕾の蓮の花を置いてそのまま走り去って行った。一瞬の出来事で何が起こったのかわからなかったが、女の子は私を見つけて蓮の花をプレゼントしてくれたのだ! 思いがけないプレゼントに心が温かくなる。
暫く行くと子供達が遊んでいるのが見えたのでサイカーを止めてもらった。民家も建ち並んでいているので少し歩いて周辺を散策してみる。

子供達は元気いっぱいだ。私の所に近寄ってきて、私が近づこうとするとキャーキャー言って逃げる。それの繰り返し。本当に元気だなあ。そして無邪気だ。観光地にいる子供みたいに飴をくれとかボールペンをくれとかいう事もない。最後はピースサインで。

子供達と遊んだりして時間がだいぶ経ってしまったので戻る事にする。途中ダラの市場があるという。折角言ってくれたし市場は好きなので寄ってもらう事にした。市場は昨日のダニンゴンの市場みたいに大きくないけど結構賑わっていた。
市場の近くでサイカーの運転手達が暇そうにしていた。写真を撮らせて貰うと後ろにいたサイカーの運ちゃん達が「俺たちも撮ってくれよ!」と言ってきた。(ミャンマー語なのでわかりませんが、雰囲気でそう言ったように感じただけです)
ここの運ちゃん達はダラの船着き場にいた運ちゃん達と違ってなんだかのんびりしているし陽気だった。

ダラの船着き場に着く前にサイカーのお兄さんが奥さんを紹介してくれた。奥さんは沿道で食べ物の屋台を出していた。
船着き場に着くともう11時近かった。2時間以上ダラで過ごした事になる。色々寄ってもらったし、2時間半で計算してサイカー代5000チャットを渡した。お兄さんは少し微笑んで代金を受け取った。「もっとよこせ」とか揉める事はなかった。本当に人のいいサイカーの運転手だった。
私はとてもラッキーだったと思う。たまたま人のいいサイカーのお兄さんと同じ船に乗り合わせて出会い、ダラを周る事が出来た。ダラの船着き場に着いてからだとともかく客引きが凄まじかったので、とてもじゃないけどサイカーに乗る気にはなれなかったと思う。そもそも今年の2月まではダラに自由に行く事だって出来なかったのだから。幸運に幸運が重なって楽しいフリータイムを過ごす事が出来た。
(ミャンマーの情勢は流動的だし、サイカーに乗るのも至難の業なので、ダラに行く方には旅行会社を通して行く事をお勧めします)

ホテルに戻るともう11時40分だった。急いで帰りの支度をして12時前にチェックアウトをしてもらった。 ロビーのソファに座ってヤタナさんを待っているとすぐに彼女は来た。荷物を全部車に入れてヤンゴン最後の観光に向かう。ああもうお別れか、寂しいなあ。
 
まずチャウタッジーパゴダを見学する事に。パゴダへ向かう車の中でヤタナさんが「Uさん体調は大丈夫ですか?」と聞いてきた。なんとヤタナさんは昨夜私と別れてから、私がミャンマーの脂っこい料理と暑さで体調を崩してないか心配になり、わざわざセントラルホテルへ電話をしてくれたそうだ。でも通信事情が悪かったのか繋がらず、何度か試みたが結局諦めてしまった。と申し訳なさそうに言った。これには本当に感動した。仕事が終わってからもお客さんの事を心配して電話をかけてくれるガイドさんなんて今までいただろうか?「心配しないで。私の体調はいいから」と言うとヤタナさんは「安心しました。良かったです」と言った。

昼食前にチャウタッジーパゴダの見学をした。チャウタッジーパゴダは全長70mの大きな寝釈迦仏である。そしてこの寝釈迦仏の前でもミャンマー人が祈りを捧げていた。 昼食は飲茶でとても美味しかった。ヤタナさんとたわいもない話からボランティアの話まで色々な話をしながら彼女との最後の食事をした。
観光は残すところボージョーアウンサンマーケットとスーレーパゴダ周辺散策だけだ。フライトが19:40なので午後4時半過ぎにヤンゴンを出発すればいいと言う。私は「セントラルホテルのマッサージを受けたいんだけど大丈夫ですか?」と聞いてみた。彼女は「大丈夫です。時間はあるし、アウンサンマーケットへ行ってからマッサージに行きましょう」と快諾してくれた。

昼食後ボージョーアウンサンマーケットへ向かった。このマーケットは生鮮食品以外はなんでも売っていてお土産探しにはいいかもしれない。タメインも売っていたが帰国の日に買ってもなあ・・・。ボージョーアウンサンマーケットは整然とした感じで、私としては昨日のダニンゴンのようなローカル市場の方が好きだ。

▲梅の甘辛煮のような食べ物


▲スー・チーさんが新聞の一面を飾ってます


▲屋台が並ぶヤンゴン市内の一画


▲ヤンゴン市内の屋台

マーケットの外で一瞬ナツメヤシかと思う食材の屋台が出ていた。ヤタナさんが「これは梅です。試食してみますか?」と言ってわたしに一つ手渡してくれた。食べてみるとしょっぱ甘くて結構いけた。梅の甘辛煮とでも言うんだろうか?日本は梅干しにするけど色んな調理法があるんだなあ。

ボージョーアウンサンマーケットを見学した後はセントラルホテルでマッサージを受ける事に。私のわがままなリクエストにも応えてくれて、本当に感謝です。フットマッサージが1時間8ドル。でも足だけじゃなく全身マッサージしてくれた。またしてもヤタナさんを1時間待たせてしまった。でも嫌な顔なんて全然しない。それどころか「ここのマッサージは有名なので受ける事ができて良かったです」と喜んでくれた。おかげで体が軽くなった。

そして最後の観光スーレーパゴダ周辺散策へ。スーレーパゴダの辺りは闇両替屋が何人も「change money?」と声をかけてくる。市役所や最高裁判所はイギリス統治時代を思わせるヨーロッパテイストな建物だった。 町中にはアウン・サン・スー・チーさんがトップを飾る新聞やスー・チーさんグッズが売られている。
今ミャンマーは民主化に向けて大きく変わるのか、その岐路に立っているんだな、と思った。暫くヤンゴン市内中心部を歩いた。やはり沿道は屋台が沢山出ている。ああもうヤンゴンの街ともお別れか・・・寂しいな。

時間になったので空港へと向かう事になった。空港へ向かう車の中で私は「別れが寂しい」「まだ帰りたくない」「もっと居たい」と子供じみた事を言ってしまった。短い期間しか時間が取れないので仕方がないが、本当に帰りたくなかった。 ヤタナさんは「私も寂しいです。また水掛祭りの時来たらいいですよ。私の家に泊まってもいいです」と言ってくれた。
空港が近づくとヤタナさんが「少し早く着きそうなのでスーパーに入りますか?」と聞いてくれた。私が空港で1人で待つ時間が嫌いだ、と言っていたので気を遣って提案してくれたのだ。ちょっと寄ってみましょう。そう言ってスーパーに立ち寄ってくれた。本当に彼女の優しい気遣い心配りには感謝するばかりである。

時間も迫ってきたので空港へ。ヤタナさんがガイドが入れる所まで一緒に来てくれた。
「またミャンマーに来てくださいね。私はUさんがチェックインを終えるまでここで見送ります」
私は本当に良くしてくれてありがとう、とお礼を言い「今日はチップを受け取ってね」と言って手渡そうとしたが、またしてもヤタナさんは「そんな事しないで大丈夫です。どうぞお収め下さい」と言って結局チップを受け取らなかった。それどころか私に「これはお土産です」と言ってスーパーで買ったと思われるビニール袋を手渡してくれた。最後の最後までヤタナさんには本当に良くして貰った。
「ヤタナさん本当にありがとう!またミャンマーに来ます!」そう言って私は空港の中へと入っていった。
タイ航空のチェックインカウンターは混雑していた。が、後ろを振り返る度ヤタナさんとミーソーナーさんが手を振ってくれる。やっとの事でチェックインが完了した。その間ヤタナさんとミーソーナーさんはずっと私を見守ってくれていた。私はガラス越しにヤタナさんとミーソーナーさんにお礼を言いお互い大きく手を振って別れた。
出発ロビーのある二階に上がり、さっきヤタナさんがくれたプレゼントを開けてみた。中を見ると小魚チップスだった。私が家庭訪問の時に小魚の唐揚げを「美味しい、美味しい」と言って食べていたのを憶えていてくれて、わざわざ買ってくれたのだ。彼女のささやかだが心のこもったプレゼントに胸が熱くなった。

たった2泊だけの短い旅行だったが、内容の濃い充実した旅行が出来た。ミャンマーの人から沢山の優しさを貰った旅だった。そして何よりガイドのヤタナさんの誠実な人柄、優しい心配り。今までで一番のガイドさんだと思った。また絶対ミャンマーに来よう!そう思いながら帰路に就いた。

地元目線からヤンゴンを楽しむ!
ミャンマー生活体験の旅2泊4日