添乗スタッフレポート【ボランティア・スタディツアー】
体育を教える活動に参加するにあたりまして、まずは現地の教育について事前に学んでおくことが大切です。カンボジアの教育現場の実情を理解したうえで活動に臨みましょう。
◆カンボジアの教育現場の実情
2015年現在、カンボジアの小学校への進学率は99%を超えると言われており、
村の子どもたち全員が小学校へ入学できるようになったといっても過言ではありません。
今現在、カンボジアの教育に求められているのは、“教育の質の向上”です。
カンボジアの小学校は、午前・午後の2部制を採用しており、
国語・算数・理科・社会の基礎教育が主で、
体育や音楽といった「情操教育」の授業はほとんど行われていません。
(都市部では行う学校も一部出てきてはいますが、田舎の村の小学校では殆ど行われていません。)
また、肝心の授業の質ですが、先生が持っている教科書を、
子どもたちが複写をして終わるということも多いようです。
カンボジアは人口の80%以上の人が農業に従事しており、
子どもたちも農業に必要な大事な働き手と考えられています。
そこで、稲刈りの時期になると、殆どの子どもたちが学校に来なくなってしまう
(来れなくなってしまう)ということも良くある話です。
カンボジアの小学校には日本の小学校と違い、進級テストがあります。
進級テストに受からない子どもたちは、何歳になっても同じ学年のまま・・・。
実際にカンボジアの小学校へ行ってみると、体が大きな小学生(本来であれば、中学生くらいの子?)
の姿も見かけることも多々あります。
カンボジアの教育は様々な問題を抱えていますが、
やはり「学校は楽しいところだ!」ということが広まれば、
子どもたちも学校に積極的に来てくれるのではないか・・・
弊社のツアーは、教育の質を向上することを目的としています。
また、この活動はカンボジア・シェムリアップ州の教育局と協力し、
ツアーを企画・実施しています。
(→学校の選定についてはこちら)
◆教育局の依頼でつくられた体育ツアー
教育局員・ネイさん |
カンボジアの村の小学校では、体育の授業が行われていない為、 準備運動や体を動かすための基礎知識に欠けています。 休み時間になると、子どもたちは何も考えずに、 校庭を走りまわってしまうため、 けがをする子どもがあとを絶ちません。 そこで、カンボジアの教育局より要請がありました。 体育の授業を理解している日本の皆さんにカンボジアに来てもらい、子どもたちに体育を教えてほしい! 体育ツアーには教育局の局員も同行しています。 (→シェムリアップ州教育局ネイさんインタビューはこちら) |
◆体を動かす前に体操を教えましょう!
準備運動や体を動かすための基礎知識に欠けていることは、
子どもたちはもちろんのこと、子どもたちに教えるはずの先生にもいうことができます。
体育ツアーでは、子どもたちに体操の大切さを知ってもらうために、
体操や準備運動を楽しく教えます。
子どもたちが飽きてしまわないように、色々と工夫をしましょう。
にわとりや猿など、子どもたちにとって身近な動物たちの動きを参考にしたり、
日本で流行している動きを取り入れたりして、楽しくできる体操を、参加者皆さんで考えましょう。
実際に子どもたちの前に立って、体操を教えると、校内は大はしゃぎ!
先生たちも一緒に楽しんで体操をするんですよ!
子どもたちに挨拶 | ラインダンス体操(手前は先生です) | にわとり体操 |
◆ミニ運動会で盛り上がりましょう!
皆さん、小学生の頃に参加した運動会を思い出してみましょう!
かけっこ、障害物競争、リレー、玉入れ、綱引き、騎馬戦、などの種目をチーム対抗で行いましたね。
きっとそこには皆さんでイベントを終えたという達成感もあったことでしょう。
このツアーで、運動会を行う理由はまさにそこにあります。
みんなで色々な種目に取り組むことで、子どもたちにチームワークの大切さを知ってもらいたい。
みんなで一緒に頑張った!という達成感を味あわせてあげたい。
ミニ運動会では、かけっこ、米ぶくろ競争(カンボジアの米を保存する袋に両足をつっこんで、
ぴょんぴょん跳びはねてゴールを目指す種目)、飴食い競争、玉すくい競争などの個人戦だけでなく、
男の子と女の子のチームに分かれて、綱引き、玉入れなどの団体戦も行います。
見事!勝利したチームには、ペットボトルを利用して皆さんに作製してもらうトロフィーや、
金色の折り紙でつくった金メダルを贈呈しましょう。
トロフィーや金メダルをもらった子どもたちは最高の笑顔!
その嬉しそうな表情を見るために、準備から、企画、運営まで、皆さんも精一杯頑張りましょう!
かけっこ | 大人気の飴食い競争 | 米ぶくろ競争 |
玉入れ | 綱引き(男の子チーム) | 綱引き(女の子チーム) |
◆ミニ運動会では応援団になって、フレーフレー!
運動会と言いますと、思い出すのが応援団!?
自分たちが選手になるだけでなく、
お友達のために一所懸命応援することで、チームワークが育ちます。
応援の仕方は皆さん次第。
フレーフレーと硬派な応援団もいいですし、かわいいチアガール風の応援も盛り上がりますよ。
事前に準備する時間がありますので、子どもたちを楽しませるような応援方法を考えましょう!
応援合戦パート1 | 応援合戦パート2 | 皆さんで作ったトロフィー | ||
金メダル | トロフィーを受けとり大喜び | 全員集合! |
◆子どもたちとお別れのとき
ミニ運動会が終わると、お別れのときがやってきます。
このツアーで村の小学校を訪ねるのは2日間。
通常授業のコマ数をお借りして行っているので、それぞれ午前に2時間、午後に2時間となります。
これも教育局の局員の方と相談し、決めているルールとなります。
体育を教える活動が継続して行えるよう、ルールはしっかりと守りましょう。
学校を後にするとき、別れが寂しい子どもたちがたくさん集まってきて、
みんなで抱き合いながら泣いてしまう…。
たった2日間、されど2日間。
短い時間でも思いっきり近くで遊び、体を使うことの大切さと楽しさを教えてくれた
皆さんとの出会いは、子どもたちにとっては一生モノ。
きっと大切な思い出となって、子どもたちの心のなかで生き続けるに違いありません!
最後は笑顔で、リーハゥイ(さようなら、またね)!